811Aシングルアンプ

姿、形に惚れて入手した811A。プラスバイアスでお手上げかと思っていましたが、プラス領域だけの動作であればダイナミックカップリング方式があると言う事です。電圧も低くて大丈夫みたいです。評価も300Bより良いみたい。ならば、と言う事でシングルアンプを制作してみました。
シャーシはDIY店で入手した300x200mmのアルミパネルです。木枠で組みましたが、この木枠は父親の手慰みで作成してもらった物を活用しました。天板がほぼA4サイズで狭い感じですが鍋CAD(フリーソフトの範囲で)を利用してなんとか納める事が出来ました。811Aと出力トランスとの間隔が狭いのですが、811Aの背が高いのでギリギリ輻射熱から逃れる事が出来ると思っています。ただし、使用中は安心の為にクリップ方式の扇風機で風を当てています。

電源トランス
春日無線変圧器に特注しました。2次側電流量で市販品を探すと811Aのヒータ電流が不足し、811Aのヒータに合わせるとトランスが大きくなってしまいます。そこでヒータは電圧はドライブ段をまかなう事にして、811Aのヒータはスイッチングレギュレータを使用する事にしました。これにより出力トランスと高さも合わせる事が出来ます。
出力トランス
ノグチトランスのPMF-15WSです。オリエントコアで15W,許容DC電流110mAになっており、予定60mAで十分です。ユニバーサルタイプですが設計3.5kΩで使用しました。
チョークコイル
同じくノグチトランスでPMC-1030Hと思います。ずいぶんと長い間待機していて型番を忘れましたが高さと直流抵抗から検索するとこれのはずです。 (10H,300mA,DCR81Ω,68x79x83H)
ヒータ電源
811Aは直熱3極管,6.3V-4Aです。電流喰いなので直流ドライブとして5V-6Aのスイッチング電源を使用しました。スイッチングノイズ、突入電流等心配な事はありますが取り敢えずは無視して直結しています。
電圧段
電圧増幅はC3gの三結です。ダイナミックカップリングのドライブ段は7C5を使用しました。ロクタル管に統一しました。これらのソケットはOMRONのリレーソケットにMAC8の金メッキソケットを挿入してしています。

811Aは送信管で直熱三極管です。フィラメントがトリウムタングステンと言う事で電球のように明るく光ります。これのドライブはダイナミックカップリング方式が紹介されています。これはプラスバイアスに限った事のようで、回路をみればカソードフォロワーのカソード抵抗を取り省いたように見えます。先例に従って回路図を興しましたが、ドライブはロクタル管の7C5を使用しました。7C5は6V6相当でロクタル管に統一しました。811Aのゲート電圧の関係でここに電圧管は使えず、電力管を使用して+20Vのバイアス電圧を与える事になります。

811Aのフィラメント定格は6.3V-4Aです。直熱管なので直流ドライブとしましたが、電源トランスが大きくなる事と整流ダイオードの放熱を考えると、スイッチング電源を使用した方が面倒が少ないと考えました。SWレギュレータの1次側はスイッチングのノイズを考えるとフィルターを入れたいところですが、スペースの関係で省略しています。またこのスイッチングノイズが音質に与える影響も不明なのですが、聞き分ける事が出来ず回路図のまま何も処理していません。

シャーシ天板は300x200mm,t2.0のアルミ板を使用しています。これはDIYに売っていた物で、これに合わせて木枠を作ってもらった物です。木枠は欅との事ですが、普通の潤滑用OILを染み込ませて2,3年経っています。良い色艶になったと思います。811Aに合うような気がして採用しました。天板のみで全ての部品が完結しています。かなり詰め込んだ感じですが、これにはフリーソフトでもある鍋CADを使用して配置検討をしています。これをA3にプリントアウトして、先のアルミ天板に貼り付け、ポンチで穴位置を決めました。

入力段はC3gの三結です。効率の良いスピーカーを使用している関係でそんなにゲインは必要ありません。当初無帰還で調整しましたが現在は3.7dB程負帰還をかけています。それでも通常、VOLの位置は11時の位置を越えないので十分です。

特性をオシロで見ました。高域は30kHz~40kHzあたりからなだらかに下降しています。低域は100Hzあたりから低下を始めますが、なだらかな変化です。聞いてみたところ、さすがに高域が綺麗です。澄んだ音で高音が素直に聞こえます。一方落ちはじめが案外早い低域ですが、そんな事を感じさせずに良く出ています。なんか帯域が広い感じで音が素直です。ただ、811Aの発熱は大きくOTがあぶられます。現在小型扇風機で風をあてながら聞いています。トランスもシャーシも熱めですが触れないと言うほどでは無く、良い音で鳴っています。ただ、見た目、窮屈な感じですのでそのうち別シャーシに作り替えを検討しています。

ノイズについて書いて置かなければなりませんね。811Aのフィラメントは先に書いたようにSWレギュレータによる直流点火です。そこにバランス用のボリュームは設けていません。実はスピーカーに耳を近づけるとハム音が少し聞こえます。ヘッドフォンだと無音時に気になって来ます。ただし、KT88によるPPアンプの方が大きく聞こえた事もあり、それほど気になる大きさではありません。このノイズは811Aよりも電源トランスからの磁気漏れのような気がしています。

811Aアップで

811Aの拡大写真

300x200mmのアルミ板に真空管6本乗せました。少々窮屈です。

811Aヒータ点灯

811Aヒータ点灯状態(斜め)

ヒーターを点灯して撮影してみました。明るいですね。電灯みたいです。811Aが明るいので今回はC3gの外装を剥いでいません。

811Aヒータ点灯(正面)

811Aヒータ点灯(正面)

正面より輝きを見てみました。ドライブはMT管の方が良かったかも。

811Aアンプの配線の様子

811Aアンプの配線の様子

内部のコンストラクションです。この手のOTは余った配線の処理にこまります。部品は全て上面取り付けです。

SWレギュレータでヒータ点灯

SWレギュレータ込み

811Aのヒーターは5Vのスイッチングレギュレータを使用しています。調整VOLを目一杯回して6.1V出ていました。突入電流の保護は特に入れていませんが今のところ無事に立ち上がっています。

811Aシングルアンプの回路図

811Aシングル回路図

pdfファイル形式の回路図です。
定数で、例えばRR103は10KΩ、CC104は0.1uFと読んでください。赤文字は実測の測定値です。

シャーシ加工図

シャーシ加工図面

鍋CADを使って部品配置を検討しました。そのおかげでこの大きさに納める事が出来たと思います。